今年3月に乳児ポツリヌス症により赤ちゃんが亡くなるということがありました。
乳児ポツリヌス症は、1歳未満の乳児にみられるポツリヌス症です。
原因食品とともに体内に摂取されたポツリヌス菌の芽胞は乳児の腸管内で毒素を発生しポツリヌス症を引き起こしたます。
主に便秘が長く続き、その後哺乳力低下、鳴き声が弱くなり、顔面の筋肉が弛緩するため顔面無表情
次第に全身の筋力低下
重症化すると呼吸困難呼吸停止がおこります。
死亡例は極めて稀です。
その原因食品として、はちみつが挙げられています。
母子手帳にも
1歳未満の乳児には与えないようにしましょう!と
注意喚起がされています。
ただし、他に食品安全委員会より
乳児ポツリヌス症の原因となる可能性がある食品としてはちみつの他に
コーンシロップ
缶詰
自家製野菜スープ
井戸水
黒砂糖
加熱されていない市販の野菜ジュースなど
があげられています。
井戸水は納得できるのですが、自家製野菜スープがどうも納得できませんでした。
東京都で発生したケースによるものとされています。
自宅が青果店で、店舗塵から患者由来と同一のA型ボツリヌス菌が検出された。
はちみつは食べていないこと、また他の食品からは検出されなかったこと、
自家製の野菜スープを摂食していることから,野菜に付着していたA型ボツリヌス菌の芽胞がスープに混入し,発症した症例であることが示唆されました。
でも、そんなこと言うと野菜すら食べれなくなります。
3日前、赤ちゃん訪問の打ち合わせで保健師さんとも話をする機会があったのですが、
保健師さんも困ってみえました。
ポツリヌス菌を死滅させるのには120度4分以上、100度では6時間以上の加熱が必要で現実的ではありませんから。
我が国の乳児のポツリヌス症は今までに15例
そのうち10例ははちみつが特定されています。
死亡例ははじめてで他の赤ちゃんは退院されています。
欧米ではハウスダストが原因のポツリヌス症もあったそうで言い出したら何もできませんよね。
とにかく、はちみつはダメ!というのは絶対でまちがえありません。
野菜スープについてはポツリヌス症は土壌に存在することから
対策としては
しっかり野菜を洗って使用しましょう!皮もむいたほうが無難です。
黒砂糖やコーンシロップに関してはなるべく使わない。
という指導になりそうです。
ちなみに、黒砂糖は健康志向の高い方が食べるようなホットケーキミックスなどの加工品にも使われているそうなので表示も見てみてくださいね。
また、症状としては1週間近くの長期の便秘から出てきますので
おかしいと思った場合は早めに受診しましょう。
早めに対処できれば回復します。
気をつけましょうね!
参考 自家製野菜スープが原因と推定される乳児ボツリヌス症-東京都 http://idsc.nih.go.jp/iasr/CD-ROM/records/17/20003.htm